2026.7.30

ふと思い出した本

沈黙のパレード

(※『流星の絆』が現在、手元になかったので、記事内の画像は『沈黙のパレード』の表紙になっています)

小学生の頃から本が好きだった私にとって、「人生で最初に読んだ一冊」を正確に思い出すということは難しいです。

しかし、ふと自分の読書の歴史を振り返ったとき、記憶のなかにハッキリと残る一番古い小説があります。それが、東野圭吾さんの『流星の絆』です。
当時、小学生だった私はドラマ化されていたことも知らず、あらすじすら知らずに本を手にとりました。ただ、図書館で見かけたその本の大人びた装丁に惹かれ、「なんだかカッコよさそう」という単純な動機で手に取っただけでした。
 
だけど、その本を借りて帰り、その日のうちに一気に読み切ったのを今でも覚えています。物語の面白さや小説ならではの表現が頭に流れ込み、夢中で読んでいました。ただ、子供が読むには少し難しく、大人になって見返した時とは受け止め方が異なっていたのも印象深いです。
また、おそらくその頃から本格的に小説を読むようになったのだと思います。
 
図書館に通い、長期休みがあれば大量に本を読むようになっていました。家族みんなが本を読む人だったので家には多くの本があり、毎週のように図書館や本屋に行っては本を手に取っていました。高校生までは、漫画よりも小説のほうが読んでいた覚えがあります。
 
読む小説のジャンルにこだわりはなく、SFからミステリーまで何でも読んでいました。しかし、その中でも一番多く読んでいたのが「ミステリー」でした。その真髄に魅せられたのは、やはり東野圭吾さんの本に出会ったからだと言っても過言ではありません。
今まで読んだ本のタイトルや内容を全て覚えているわけではありませんが、それでも「よく読んでいたな」と思っています。実際に大人になった今でも観る映画などは大抵ミステリーやヒューマンドラマ系が多く、人間同士の関わりが深く描かれたものを無意識に選んでしまいます。
 
以前、『沈黙のパレード』を映画館で観たのですが、とても衝撃的で、いつも通っているはずの帰り道を間違えて遠回りで家に帰ったことがあります。このなんとも言えない終わり方がとても好きで、その後小説でもう一度読み直しました。
ガリレオシリーズだと、『真夏の方程式』や『容疑者Xの献身』など有名な作品がたくさんありますが、私は『容疑者Xの献身』をまだ読んだことがなく、映画も最後まで観たことがありません。東野圭吾さんは100を超える作品を出されているので、すべてを網羅するのはなかなか難しいです。
ただ、今書いた作品以外にも何冊かの小説を読み、それらが今の自分の主軸になっていると思います。
 
ページをめくるたびに未知の世界へ連れていってくれる小説は、大人になった今でも私にとって大切なの時間です。子供の時ほど読む時間が確保できていませんが、それでも「あの本読みたい!」という気持ちは常にあります。
あの時、図書館の棚で『流星の絆』のカッコいい背表紙を見つけていなかったら、今の私の趣味やものの見方は少し違っていたかもしれません。

数日前、東野圭吾さんの訃報を聞き、大きな衝撃を受けました。
訃報を聞いた時は、新しい物語や続編がもう二度と紡がれることはないのだと気づかされ、言いようのない寂しさがこみ上げてきました。ずっと好きだった作家さんたちが、気づけば何人もうこの世を去り、新しい続編をどれほど待ってももう書かれることはありません。それでも形に残った作品や物語は消えることなく、こうしていつでも私たちの中にあり続けてくれます。本を開けば、いつでもあの世界に戻れる。そう思うと、改めてたくさんの素晴らしい作品に出会えてよかったなと感じています。

だからこそ、これからも新しい物語に出会っては心を揺さぶられながら、大切に読書を続けていきたいと思います。
私をこの素晴らしいミステリーの世界へ連れていってくれた、すべてのはじまりの本と作家さんに、心から感謝しています。

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