2026.9.3

今年も夏のインターン生

2026年夏のインターン生

コイズミデザインファクトリーでは、もう20年ほど前から、毎年夏休みの時期にインターン生を受け入れています。京都を中心に、さまざまな大学や専門学校から学生が来てくれるようになり、これまでに受け入れた人数は、のべ100人を超えました。

20年という年月を振り返ると、デザインを取り巻く環境も大きく変わりました。パソコンやソフトの進化はもちろん、WebサイトやSNS、動画など、デザイナーが関わる分野は広がり続けています。それに伴い、KDFのインターンシップの内容も少しずつ変化してきました。

仕事を手伝ってもらう場から、提案を生み出す場へ

以前のインターンシップでは、実際の仕事に関わる作業を手伝ってもらうことが中心でした。デザイン会社の日常を体験しながら、学校で学んだことが実際の仕事の中でどのように使われているのかを知ってもらう。それがインターンシップの大きな目的でした。

もちろん、実務を経験することは今でも大切です。しかし現在は、学生に単に作業をしてもらうのではなく、自分で考え、アイデアを出し、ひとつの提案としてまとめてもらうことを重視しています。

そこで課題として取り組んでもらっているのが、KDFのBtoCプロジェクトである「tote×tote」の販促企画です。

tote×toteは、KDFが長年蓄積してきた柄のデザインを生かし、同じ形のトートバッグを多彩な柄で展開するプロジェクトです。商品の企画からデザイン、撮影、Webサイト、販売、情報発信までを自社で行っているため、学生にとっても、デザインが商品として形になり、どのように人へ伝えられていくのかを考えやすい題材です。

2026年夏のインターン生

学生ならではの自由で面白い提案

今回、嵯峨美術大学から来てくれたインターン生は、tote×toteの世界観をさらに広げる提案に取り組んでくれました。

既存の柄を使うだけではなく、まず自分で新しい柄を制作し、その柄をパッケージや包装紙へ展開。さらに、エプロンやミトンなど、トートバッグ以外の製品についてもデザインを考えてくれました。

ひとつの柄を制作して終わるのではなく、その柄をどのような商品に使えるのか、どのように見せれば魅力が伝わるのかまで発想を広げていく。これは、KDFが日頃から取り組んでいる「デザインをものづくりにつなげる」という仕事にも通じるものです。

京都芸術デザイン専門学校から来てくれたインターン生たちも、それぞれ異なる視点から興味深い提案をしてくれました。

一人は、アニメーションのキャラクターにトートバッグの柄を使った衣裳を着せ、そのキャラクターを実際に動かすという作品を制作。トートバッグの柄をバッグの中だけにとどめず、ファッションやキャラクター表現へと展開した発想が新鮮でした。

もう一人は、たくさんの柄の中から自分に合ったトートバッグを選ぶためのWebサイトをデザインしてくれました。柄の種類が豊富であることはtote×toteの魅力ですが、一方で「どれを選べばよいか迷う」という課題もあります。その点に着目し、選ぶこと自体を楽しんでもらう仕組みを考えた、実用性のある提案でした。

完成度だけでなく、学生たちがどのような視点でtote×toteを捉え、何を面白いと感じたのかが伝わってくることも、インターンシップならではの魅力です。私たちにとっても、普段とは異なる発想に触れ、プロジェクトをあらためて見直す貴重な機会になりました。

デザインの技術だけでは伝えられないこと

インターン期間中のミーティングでは、制作した課題の合評だけでなく、デザイン業界がこれからどのように変化していくのか、デザインとものづくりをどのようにつなげていくのか、といった話もしました。

生成AIをはじめとする技術が急速に進歩する中で、これからデザイナーに求められる役割も変わっていくでしょう。ソフトを使いこなし、見た目をきれいに整えるだけではなく、課題を見つけ、考え、提案し、人に伝える力がますます重要になります。

また、デザイナーとして仕事を続けていくための心構えや、相手の話を聞くことの大切さ、ものづくりに関わる人たちへの敬意など、学校の授業だけではなかなか伝えにくいことについても、できる限り話をしました。

インターンシップは、学生が会社から何かを学ぶだけの場ではありません。私たちも若い世代の考え方や感覚に触れ、たくさんの刺激をもらっています。長く仕事をしていると、知らず知らずのうちに発想や判断の仕方が固まってしまうことがあります。学生たちの自由な提案は、デザインの面白さや、最初にアイデアを考えるときの楽しさを思い出させてくれます。

再来週からは、大阪成蹊大学からもインターン生が来る予定です。この夏、KDFで受け入れるインターン生は合計5名になります。また新しい視点やアイデアに出会えることを、スタッフ一同楽しみにしています。

今回来てくれた学生たちが、何年か後にデザイナーとして活躍し、仕事の現場で再会できたら、これほどうれしいことはありません。

KDFで過ごした時間や、ミーティングの中で交わした言葉が、これから進路を考え、デザインの仕事を続けていくうえで、少しでも役に立ってくれることを願っています。

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京都芸術デザイン専門学校

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