55歳になって
6月30日で55歳になりました。
私は自分の誕生日を決算日にしているので、誕生日が来て一つ年をとるごとに事務所も新しい期をむかえます。誕生日が1年のちょうど半分にあたることから、正月と決算日で1年の中に2度節目を作ろうと思ったのです。
今年もその日がやって来ました。
55歳というと一昔前なら会社を定年退職する年齢です。今でも60歳が定年であるものの55歳になると主戦場から外されてしまうような業界も見受けられますが、幸い自分で会社をやっているとそんな心配いりません。
私の場合、二人の息子も学校を卒業し、学費という縛りが解けたので、もうそろそろのんびりと仕事を楽しみながらやって行けばいいのではないかとおっしゃる方もいらっしゃいますが、どうもそういう生き方は性に合っていないようで、今まで以上にやりたいことが山のように積み重なっています。
特にここ何年かの状況を見ていると、まだまだ自分のデザイナー人生でやり残している大きなものがあるという気がしています。近いうちに公にしたいと思っていますが、それが一通りうまく行けばその時こそ自分のやってきた仕事の中である一つの大きな証ができるような気がしています。
この歳になってまた一から挑戦するのは正直恐怖感もありますし、いくら経験を積み重ねてきたからといって成功する保証はどこにもありませんから、かなりリスキーであるのは間違いありません。
ただ今までの経験から、人生の中で何か挑戦するときには「潮時」のようなものがあって、その波にうまく乗っかれなければ2度とチャンスは巡ってこないような気がしています。その「潮時」というのは、小さな事実がいくつもいくつも積み重なって自分を後ろから前へ前へと押し出していくような感覚のものです。
今夜のニュースでフィギュアスケートの高橋大輔選手が現役復帰するというのがありましたが、そういった一見自分には関係のないことまで、自分を後押ししているように感じる時があるのです。
ここ最近自分の周りには、そういった小さな事実が地面からいくつも発芽するように湧き上がっている気がしています。正直55歳にもなってこういう感覚を持てるとは夢にも思っていませんでしたし、ひょっとするとただの思い違いかもしれませんが、こういう気持ちになれたことを大事にしたいと思っています。
55歳の1年間、ひょっとすると私の人生で大きな意味を持つ年になるかもしれません。途中で息切れし、何も起こらなかったということになるかもしれませんが、今まで以上に皆様からのお力添えをいただき、この湧き上がってくる想いを実現したいと思っています。