2018.5.16

銀座ライオンのアール・デコなデザイン

先日の東京出張で銀座ライオンへ行きました。現存する日本最古のビアホールとして有名ですが、私が銀座へ行くたびにここを訪れたくなるのは一つ理由があります。
店内のモザイクタイル画や柱の装飾デザインも興味深いのは確かですが、ここを訪れる理由はそれだけではありません。

母方の祖父は、私が物心ついたころに他界しているのですが、その祖父が若い頃ここに通っていたであろうと思われるからです。

私の祖父は戦前中国の大連でタンゴの演奏をしていました。パートはタンゴバンドのリード楽器であり、悪魔の楽器と言われるほど演奏が難しいバンドネオンです。戦時中も当時租界として戦争の影響をあまり受けなかった上海で演奏を続け、戦後は新橋のフロリダというダンスホールや、目黒の叙々苑などで演奏していました。
戦後、銀座ライオンは進駐軍に接収されていましたが、開放後はきっと演奏の後にここで一杯やっていたのではないかと思います。

そういうことを考えながら、そしてモザイク壁画のデザインや柱の装飾を楽しみながら飲むビールは格別です。

いつ行っても満員状態ですが、早めの時間からスタートすればなんとか席の確保もできそうです。
一押し料理のローストビーフを楽しみながら、よく冷えたビールというのが最高の楽しみ方ではないかと思っています。

アール・デコのデザインに囲まれた大きなホールの片隅で祖父が一杯やっているのを妄想しながら、今回も楽しい夜が更けて行ったのです。

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