2024.3.12

紺ブレ世代

紺ブレ

紺ブレは古くさいのか

メンズファッションの変遷の中で、幾度となくブームになってきた「紺ブレ」。最近ではこの「紺ブレ」という言葉さえ知らないという若者も増えているらしい。
私くらいの年齢になると、何度もこの「紺ブレ」ブームを経験してきたが、今後また同じようなブームが来るのだろうか。

「紺ブレ」といっても実はいろいろとデザインにバリエーションがあって、さまざまなブランドがそれぞれの解釈でリリースしているが、私は自分の中で決めている紺ブレの定義というものがあって、その枠にはまったデザインのものがワードローブに収まっている。

その定義とは

●ナチュラルショルダー
●左胸にはパッチポケット
●ゴールドのメタルボタン
●センターにフックベント
●三つボタン段返り
●腰で絞っていないボックス型のシルエット

これだけの条件を満たしていないものは買わない。この条件に合ったものを春夏と秋冬用に各2着常に維持していて、そのうち1着には胸に金モールのエンブレムを付けている。最も基本のアイビースタイルであるけれど、最近では街中でもあまり見かけない。

紺ブレ
紺ブレ

でもこの「紺ブレ」、応用範囲が実に広く、ものすごく着まわしが効く。
デニムとギンガムチェックのボタンダウンをあわせれば、品のあるアメリカンカジュアルに、チノパンと白かブルーのボタンダウンのシャツにレジメンのネクタイでビジネスやデートに、ウールのパンツに蝶タイを合わせばパーティーにも対応できる。

実はこんなに着回せるジャケットは他にない。そういう意味でも若者にはもっと「紺ブレ」を知って欲しいと思うが、「紺ブレ」自体をリリースするブランドもめっきり減った。ブームの度にリリースするブランドが増えたりもするが、定番で存在するブランドは往年のアイビー・トラッドブランドに限られる。そもそもそういうブランドには最近の若者は寄りつかないので、なかなか「紺ブレ」に関心が行かない。
残念なことにオーダースーツのさまざまな店ができているのに、そういった店のほとんどがイタリアンスタイルで、パターンオーダーにもこの定義にはまる型がないことが多くなった。
ひょっとすると私の世代が最後の紺ブレ世代になってしまうのかという気がしないでもないが、せめてVANやラルフローレン、ブルックスブラザーズ、Jプレの4つだけでも私の定義にはまる品番を残して欲しいと願うばかりだ。

さあ、3月も半ばにさしかかり、ようやくコートなしでジャケットを楽しめる季節になったので、「紺ブレ」のいろいろな着方を楽しんでみよう。

小泉の雑記帳

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