2023.8.6

夏のネクタイ

夏のネクタイ

今年の夏は例年にもましてかなり暑い。
京都は2週間連続で猛暑日が続いているらしい。
私は暑いのが嫌いなので、本当につらい。
しかも今年の夏は車のエアコンが故障してしまい、新しい車が来るまで仕事の移動も地獄だ。

こんな暑い時期でも若い頃は、クライアントのところへ出向く際には必ずジャケットとネクタイを欠かさなかったのだが、ここ数年は正直つらい。車のエアコンさえ故障していなければドアtoドアでそれほど暑さも問題ではないが、大阪や東京などへ電車の出張の時は、かなり悩ましい。

電車内で周りを見ても、この暑さではネクタイをしているビジネスマンを見かけることはほとんど無い。夏以外の季節でさえノーネクタイが当たり前になったこともあって、なおさら見かけなくなった。

私はファッションというものをトラッドで覚えたので、夏でもジャケットにネクタイというスタイルをかたくなに守っていたが、いい加減この暑さの中ではそれも厳しいので、考えたあげく選んだのが半袖のシャツにベストというスタイル。これならなんとか切り抜けられる。どうしても暑いときはベストを脱いでも、ジャケットほどかさばらないし、そもそも夏物なので畳んでしまえば鞄にも入る嵩だ。
しかも、シャツが無地やそれに近い物ならベストのデザインもいろいろと楽しめる。涼しい時期になればジャケットの中に着ることもできるし、これはなかなかいい。
こういうときのネクタイは麻かもしくは麻と絹のミックスと相場が決まっているので、トラッド好きの私としては多めにストックしている。ベストとの組み合わせをいろいろ考えるのも楽しい。

こういうスタイルではわざとネクタイをルーズにするのも大人としては格好がいい。でもここで注意しないといけないのでは、ネクタイの結び方だ。シングルノットで無いといけないのは当然のことながら、巷で見かけるビジネスマンやテレビの画面に登場する芸能人のように、ただ単に緩く結んでいるだけではいけない。テレビに出演する人達には当然スタイリストなりがついていると思うのだが、最近のスタイリストはネクタイの結び方も知らないのかと思うことが多い。
正しくネクタイを緩めるには、まず一旦第一ボタンもしめた状態で、きちんとしっかり結んだ上で、結び目を緩めるのでは無く、首回りの方を緩めるのが正しい。
そんなこと文章で書かれてもピンとこないなどと思っている人は、おそらくその時点でネクタイの結び方というものがわかっていないのだから、まずそこから練習する方がいい。

首回りを緩めたあと第一ボタンを外し、衿の形を整える。
もう一つ注意したいのは、こういう緩め方をするときにはボタンダウンのシャツにするということだ。ボタンダウンで無いと衿がガバッと開いてしまい、ただ単にだらしないイメージが強くなるからだ。

さらにこういう着方をするときにはネクタイもニットがいい。ニットの場合は無地やボーダーのデザインが多いのでベストンのデザインと合わせるのも楽しい。

この夏はそのために写真のベストを買った。ボダニカルなデザインのプリント生地で涼しい感じが気に入っている。そこにリネンのボーダータイを合わせて、なんとか今年の猛暑を切り抜けようと思う。

とはいえ、やっぱり今年の夏は暑い。あまりにも暑い。暑い。

もしどこかで仕事中の私を見かけて、汗をふきふきノーネクタイだったとしたなら、「やっぱり暑さには勝てなかったんだなあ・・・」と気づかないふりをして、そっと見逃すくらいのやさしさをお願いしたい。

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