2018.8.14

全デザイナーへネタ帳のススメ

以前にも書いたことがありますが、社会人デザイナーとして一人前になりたいのなら、ネタ帳の1冊くらいは持っていなくてはなりません。

ネタ帳を作ってもそんなに書き留めるほどアイデアがどんどん湧き出て来ないとか、何を書いていいのかわからないという人がいますが、そんなに難しいことを書く必要なんて全くないし、もともと人に見せるものでもないので落書きばかりでもなんら問題ありません。

仕事中に気づいたことや、喫茶店でお茶を飲みながらTO DOを書き出すというのでもありです。
ただ良くないのは日々のスケジュール帳と一緒にしてしまうこと。
スケジュールというものはその日が済んでしまうと余程のことがないとそのページを見ることがない上に年が変わってしまうとそのノートを捨ててしまったりすることもあるからです。

最近ではスケジュールをデジタルで管理している人も多いと思いますが、ネタ帳は絶対に手書きがいいと思います。
思ったことを即書き留めるにはいくらデジタルに慣れている人でも、自分の手に勝るものはありません。どうせものすごい長文を書くわけでもないのですから「手で書く」ことを薦めます。

手で書くというのは理屈ではない何かがあると私は思っています。うまく言えませんが、人が感じる五感という超アナログなものに訴えるアイデアは、できるだけアナログで進めていってデジタルの方が都合のいいところだけをデジタルで処理するのがいいと思っています。
私はデザインするときにわざわざラフスケッチをしたりすることに必要性を感じないのですが、何も目的がなく自分の考えを絞り出すときはデジタルよりもアナログが向いていると思います。仕事では経験や打ち合わせですでに方向性は決まっていたりすることからわざわざラフスケッチを書く必要などないことが多いのですが、何の縛りもなく自分の考えをまとめたり、吐き出したりするときはできるだけ色々な道具やデバイスを省いた方がアイデアの鮮度が上がるように思うからです。

それから、これも前に書いたことですが、ネタ帳は安物のノートは避けたいところです。普通の大学ノートや余っていたノートはやめましょう。そんなノートでは自分のアイデアに対して失礼です。自分のアイデアはもっと大事にするためにも少しくらい上等のノートを奮発しましょう。私はモレスキンのラージタイプを使っています。方眼であることも大事かもしれません。

ペンだって同じこと。どこかの景品でもらったペンを使っていては安物のノートを使うことと同じこと。少しくらい上等のペンでぐんぐん書いていくことが大事です。シャープペンシルや鉛筆も良くないと思います。なぜなら失敗したと思って消していまえるからです。「消せない」緊張感は意外と大事。消してしまったアイデアが意外とよかったということもありますし、どんなアイデアであっても物事を考えていく道筋というものは後になって必ず役に立つからです。

これからデザイナーやクリエイティブな仕事に着こうと思っている若者は是非ネタ帳を持ってください。自分のアイデアを絞り出すことに慣れることはとても大事だと思います。そういうことをしているのとしていないのとでは5年後、10年後に大きな差が出てくるものです。そういう仕事を自分の一生の仕事としたいのであれば、そのくらいの努力は大したことはないはずです。

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