2019.9.27

MUD_vol.4 日本のユニバーサルデザイン<大阪万博編>

前回取り上げた「1964年開幕の東京オリンピック」からわずか6年後、
また日本でビッグプロジェクトが開幕します。

それは、大阪で開催された「日本万国博覧会」、通称「大阪万博」です。

大阪・万博公園の太陽の塔
万国博覧会跡地の万博公園では、今も太陽の塔が存在感を放っている

「人類の進歩と調和」

前回ご紹介したオリンピックでのピクトグラムの成功、
そして、オリンピック開催の9日前に開業した東海道新幹線での
テーマカラーを用いた案内表示(サイン計画)の導入などを経て、
大阪万博開催時には、ピクトグラムやサイン計画の
有用性・重要性が少しずつ認知され始めました。

欧米や国連主導で、公共の場での案内表示や
道路標識の概念が整備され、実用化されていくなかで、
「国際的な公共スペース」となる万博会場において
ユニバーサルデザインをしっかり反映させることも
大会テーマの「人類の進歩と調和」に含まれるくらい、
大切な「見せ場」となったのです。

上野駅の案内表示。
現在では当たり前の存在の便利な案内表示も、新幹線開業や大阪万博で発展した

「サイン」の発展に大きく影響

まだまだユニバーサルデザインの重要性が広く理解されない時代でしたが、
万博会場では先進的なサイン計画が導入されました。
そして、多数の来場者の動線に優れたサインが助けとなり、
以降の施設や街づくりに大きく影響したのです。

「今はあって当たり前のもの」が生まれたストーリーを知るのは
おもしろいですね!

UDの歴史に触れていただいたところで
次回は「メディア・ユニバーサル・デザイン」に話を戻し、
印刷物やWebで大切な「視覚・色覚のユニバーサルデザイン」
についてお届けします。

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