2026.4.28

リクルートスーツにスニーカー

昨日、JRの駅でふと目に留まった光景があった。コンコースに並んでいたのは、就職活動中と思われるリクルートスーツ姿の学生たち。男女合わせて6人ほどのグループで、いかにも就活途中、といった雰囲気だった。

全員が黒のリクルートスーツ。白いシャツに控えめな髪型。いわゆる「就活スタイル」としては、もはや見慣れた光景だ。個性を消し、均質であることを求められるあの装いに、違和感を覚えることも少なくなった。

ただ、そのとき私はひとつだけ、明確な違和感を覚えた。

足元だ。

彼らは全員、革靴ではなくスニーカーを履いていた。色は一応黒で統一されている。ぱっと見ではスーツとの違和感を抑えようとしているのは分かるが、それでもやはり「スニーカー」であることに変わりはない。ナイキ、ニューバランス、コンバース・・・・など。

正直、少し驚いた。

ああ、ここまで変わったのか、と。

企業側はこれをどう見るのだろう。実際のところ、最近では「見た目より中身」という価値観が広がっているし、服装の自由度も以前より高まっている。IT企業やベンチャーであれば、スニーカーでも特に問題視されないかもしれない。むしろ合理性や機動力を重視している、とポジティブに受け取られる可能性すらある。

しかし一方で、すべての企業がそうとは限らない。特に、伝統や信頼、対外的な印象を重視する業界においては、「第一印象」は依然として重要な判断材料のひとつだ。服装や身だしなみは、その人の価値観や姿勢を象徴するものとして見られることが多い。

そう考えると、「なぜあえてスニーカーなのか」という疑問は残る。

もちろん、理由はいくつか想像できる。長時間歩く就職活動において、足への負担を軽減したいという実用的な理由。あるいは、革靴に対する堅苦しさへの違和感。もしくは、「そこまで形式に縛られる必要はない」という価値観の変化。

どれも理解できるし、否定するつもりもない。

ただ、個人的にはやはり違和感がある。

もしかすると、これは単純に自分の感覚が古いだけなのかもしれない。時代は確実に変化しているし、かつての「常識」が通用しなくなっている場面も増えている。ネクタイを外すことが当たり前になり、リモートワークが一般化し、ビジネスの服装そのものが多様化している。

そうした流れの中で、スニーカーという選択も自然なものなのかもしれない。

それでも、、、、、、と思う。

就職活動という場は、単なる日常とは違う。自分という存在を企業に評価してもらう場であり、ある意味では「最初の対面」である。その場において、あえて従来の形式から外れる選択をすることには、それなりの意図や覚悟が必要なのではないだろうか。

守るべき節度や礼儀、常識というものは、時代とともに形を変えることはあっても、完全になくなるものではない。むしろ、変化が激しい時代だからこそ、どこまでを守り、どこからを変えるのか、その判断がより重要になっている気がする。

スニーカーが悪い、という単純な話ではない。

ただ、「その場にふさわしいかどうか」を考える視点は、やはり大切だと思う。

昨日のあの学生たちは、どんな企業を受けに行ったのだろうか。そして、その企業は彼らの足元をどう見たのだろうか。そんなことを、つい考えてしまった。

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