どこに投票するかは自由。でも、必ず投票に行こう。

2月8日に衆議院選挙があります。今回の衆議院選挙は、単に政権の枠組みを選ぶだけのものではなく、これからの日本社会が「どのような価値観を軸に設計されていくのか」を問う、極めて重要な選挙だと感じています。デザインとは、見た目を整えることではありません。課題を見つめ、情報を整理し、仕組みや流れを設計し、人の行動や意識をより良い方向へ導くための行為です。その意味で、政治は社会全体のデザインであり、私たちは常にその影響を受ける側にいます。
デザイン業界自体も、政治や経済の動向から大きな影響を受けています。景気の浮き沈みは、真っ先に広告費や広報予算、ブランディング投資に反映されます。文化・教育・中小企業支援・地域振興への政策姿勢は、仕事の量や質、さらには「どんなデザインが求められる社会なのか」に直結します。デザイナーの仕事は個人のセンスだけで成り立つものではなく、社会の構造や価値判断の中で成立しているのです。
また、デジタル化の推進、知的財産の扱い、フリーランスや中小事業者の働き方、インボイス制度や税制なども、デザイン業界にとって無関係ではありません。これらの制度設計ひとつで、挑戦しやすい環境にもなれば、創造性を削ぐ足かせにもなります。政治は遠い世界の話ではなく、日々の制作環境や生き方そのものに影響を与えています。
デザイナーとして日々実感するのは、「環境が人の行動をつくる」という事実です。良く設計された環境では、人は自然と前向きに動けますが、歪んだ設計の中では努力が報われにくくなります。政治に無関心でいることは、その環境設計を他人に委ね続けることでもあります。気づかないうちに、創造しづらい社会が固定化されてしまう危険性があります。
「一票で何かが変わるのか」と感じる人もいるでしょう。しかしデザインの現場では、小さな調整や判断の積み重ねが、最終的な完成度を大きく左右します。投票とは、社会に対して意思を返す最も基本的なフィードバックです。その声が集まることで、社会の設計図は少しずつ修正されていきます。
投票に行くことは、今の私たちのためだけでなく、次の世代のための行為でもあります。未来のクリエイターや生活者が、安心して学び、働き、挑戦できる社会を残せるかどうかは、今の選択にかかっています。今回の衆議院選挙は、社会のデザインを「他人任せ」にするのか、「自分も参加する」のかを問われている場です。完璧な答えがなくても、考え、選び、意思を示すこと自体が、より良い社会をつくる第一歩だと、デザイナーの立場から強く感じています。



