2018.1.3

2018年にコイズミデザインファクトリーが目指すもの

皆様、明けましておめでとうございます。

つい数日前に2017年の反省を書いたところですが、今日は2018年に目指すことを書かせていただきます。
あまり長々と書いてもおもしろくないので、今回は簡潔に。

それはズバリ「五感に響くデザイン」。

私は人間が人間である以上、感激とか喜びとか心躍るものはすべてアナログで感じ取ると思っています。
「美味しい」とか「いい香りがする」とか、「綺麗な色だ」「いい音色だ」「いい肌触りだ」とか人間の感性をくすぐるものは、すべて目、耳、鼻、口、肌によって感じ取ります。

つまり、それが「五感」というものです。

そして人間が物事を人に伝えたいと考えるときは、その「五感」の経験によってスタートします。
「これは美味しいですよ」「これはいい色でしょ」など伝達の出発点は人間の「脳」という極めてアナログなところから「五感」というアナログな経験をもとに発信され、その到達点は人間の「五感」というこれまたアナログな感覚で感じ取られます。

しかし、その間の伝達手段はインターネットやSNSなどどんどんデジタル化され、年々それらは進化しています。結果的に古典的でアナログな伝達手段である書籍や音楽もほとんどの制作過程がデジタル化されています。間はことごとく効率化や低コスト化によってデジタル化されているのです。

ところが、相変わらず出発点と到達点はアナログであり、それは人間が人間である以上、人間の頭脳がAIになってしまわない以上変わることはありません。

ですからアナログな発信を伝達するためにデジタルに変換するタイミングと、その伝達されたデジタルをもう一度アナログに変換し、人間が感じ取れるものにするタイミング、この2回の機会がとても重要であり、普遍のものだと思っています。その2回のタイミングは、いくら間の伝達方法であるデジタルが時代とともに進化しても必ず必要とされ、重要視されるに違いないと思っています。

たとえば、オーディオの進化がそれをわかりやすく物語っています。

音楽の世界では人間の声や楽器の音色という超アナログなものを「マイク」によって収録し、デジタルに変換します。そして間のデジタルな機器をいくつも通過し、最終的に人間の耳の寸前で「スピーカー」によりアナログに戻されます。

間を通すデジタル機器は時代とともに、技術革新とともに大きく進化しました。レコードの時代、CDの時代、DVDの時代、配信の時代と、ここ50年ほどの間に劇的に進化しました。ところが、マイクとスピーカーは道具としての進化はあるものの基本的な部分は全く進化していません。つまり、入り口と出口に関わる部分は普遍だと言うことです。いくらデジタル音楽などで入口がデジタル入力になったとしても、所詮それは人間の脳で考えたことを指先を通じて入力しているわけですから楽器を奏でることと同じです。

今年は、この2回のタイミングを大きく意識し、大事に考えたいと思います。

1回目のタイミングは私自身の経験による発想の出発点。ここで手を抜くと後ろに控えている行程がすべて成り立たなくなってしまいます。発想の出発点に自分の五感による経験をフルに発揮し、絞り出せるだけ絞り出すということを心がけようと思います。
2回目のタイミングは受け取る側がどう感じるかという瞬間ですから、こここそデザイナーとしての仕事として大事なところです。発想と表現が大切だということは従来から誰もが意識していることですが、その行程が五感に届ける変換の瞬間だと言うことを意識したいと思います。
つまり、マイクとスピーカーを大事に考えたいと言うことです。

MACの操作方法やアプリケーションの使いこなしは間の効率化されたデジタル行程に過ぎず、それはデザインの本質ではないのです。クライアントのリクエストや予算の制約によって限界がありますし、具体的にそれがどういう手法や表現によって達成されるかは案件毎に様々で私自身にも明確に見えているわけではありませんが、常にその2回のタイミングを大事に考えたいと思います。

「五感に響くデザイン」

さてどんなものが飛び出すのか・・・・。

自分でも楽しみになってきました。

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