2016.10.23

様々なデザインが楽しい「いげ皿」

久しぶりに骨董のお話を一つ。
この写真は「いげざら」と一般的に呼ばれているもので、骨董といえるかどうか微妙なところに位置するものです。明治の終わりから昭和の中期にかけて大量に出回ったもので、皿の縁に茶色の波形があるデザインが特徴です。
骨董かどうか微妙といいましたが、もともと骨董という言葉自体にはっきりした定義があるわけではありませんので、私としては明治期に作られたものであれば骨董に属してもいいのかなと思います。だいたい100年は経っているのですから。
この「いげざら」は骨董屋さんではかなりリーズナブルな価格設定になっています。小ぶりのものなら2,000円くらいから、いいものでも10,000円も出せば買えるでしょう。
なぜそんなに安いかと言うとまだまだ世間にたくさん残っているからです。ひょっとするとあなたの家にも押し入れの奥に眠っているかもしれません。よく地方の古い家などで親戚が集まったりするときに今でも現役で使われていたりします。
骨董の入り口には丁度いいと思いますが、そんないげざらには大変たくさんのデザインがあって、時代背景や世相をデザインに反映していて、なかなか楽しませてくれます。
大きめのものに少しだけ刺身や焼き物などを盛るとそれだけでなかなか立派なものです。ちょっとした料亭気分に浸れることでしょう。
是非そんなときはうまい日本酒を古伊万里のそば猪口でいただいてください。
格別です。

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