世界一美しいまちがいさがし




西東社より刊行された『世界一美しいまちがいさがし』。その紹介ビジュアルのデザインを、私たちコイズミデザインファクトリーが担当いたしました。
「まちがいさがし」というと、子ども向けの遊びや気軽な娯楽という印象を持たれる方も多いかもしれません。しかし本書は、その既成概念をやさしく、そして鮮やかに覆します。ページを開いた瞬間に広がるのは、思わず見とれてしまうほど繊細で、色彩豊かなアートの世界。絵そのものが鑑賞に値する完成度を持ち、その中に“さりげなく”仕掛けられた違いを探す体験は、単なるパズルを超えた豊かな時間をもたらします。
私たちが紹介デザインで目指したのは、「探す楽しさ」と「眺める美しさ」が共存する世界観を、ひと目で伝えることでした。情報を詰め込みすぎず、余白を活かしながら、ビジュアルの持つ力を最大限に引き出す構成に。タイトルの持つ上質さを損なわないよう、書体の選定や文字組みにも細心の注意を払い、凛とした印象と親しみやすさのバランスを探りました。
また、本書が幅広い世代に届くことを意識し、子どもから大人まで手に取りやすいトーンを大切にしました。華やかさの中にも落ち着きを感じさせる色設計、アートブックのような佇まいを想起させるレイアウト。単なる「問題集」ではなく、“美しい時間を贈る一冊”としての価値を、ビジュアルで表現しています。
制作の過程では、イラストの細部までしっかりと見せるためのトリミングや配置バランスを何度も検討しました。まちがいさがしの醍醐味は、細やかな観察の積み重ねにあります。その魅力を損なわないよう、紹介面でも細部の美しさがきちんと伝わるよう配慮しています。見る人の視線が自然と絵の中へ引き込まれ、「この世界に入り込んでみたい」と感じていただける構成を目指しました。
コイズミデザインファクトリーにとって、本プロジェクトは“遊び”と“美”の関係性をあらためて見つめ直す機会でもありました。美しいものをじっと観察すること、違いを見つけること、それは感性を磨く静かな体験でもあります。本書は、忙しい日常の中で立ち止まり、ゆっくりと視線を巡らせる時間を届けてくれる存在です。
『世界一美しいまちがいさがし』が、多くの方にとって新しい発見と心地よい集中のひとときをもたらす一冊となることを願っています。そしてその魅力が、デザインを通してより豊かに伝わっていれば幸いです。



