2025.9.14

フリーランスを集めたチームでデザインを進めることのデメリット

フリーランスチームのデメリット

コロナ以降、東京を中心にフリーランスのデザイナーやディレクターを集めてチームを組み、デザインプロジェクトを進めるケースが増えています。インターネット環境の整備によってリモートでのやり取りも容易になり、一見すると大きな問題はないように思われがちですが、実際には一つのデザイン会社内で完結する場合と比べて様々な課題が存在し、トラブルの要因となることも少なくありません。

まず挙げられるのがコミュニケーションの難しさです。フリーランスは各自のスケジュールや働き方に基づいて動くため、リアルタイムでのやり取りや意見交換が難しく、情報共有の遅れや認識のずれが生じやすくなります。次にスケジュール管理の複雑さがあります。多くのフリーランスは複数の案件を並行して抱えているため、納期の調整が難しく、プロジェクト全体の進行に遅れが出るリスクが高まります。

また、チームとしての一貫性の確保も課題です。個々の作業スタイルやデザインアプローチが異なることで成果物に統一感を持たせにくく、長期プロジェクトでは途中でメンバーが離脱する可能性もあり、完成度に影響が出かねません。さらに責任の所在が曖昧になりやすい点も問題です。フリーランスは自営業であるため責任が分散しがちで、全体を統括する役割が明確でないとトラブル発生時の対応が遅れ、クオリティ管理も難航します。加えて、チームの結束力やモチベーションの維持が困難であることも無視できません。

フリーランスは各自の優先度や働き方を重視するため、組織的なまとまりを持たせるのが難しく、モチベーションが揃わないまま進行するケースもあります。コスト面でも、メンバーごとに異なるレートで働くことが多く、全体の予算に一貫性を持たせにくい上、必要に応じて専門家を追加することでコストが膨らむリスクがあります。

これらの課題を解決するためには、明確なプロジェクトマネジメント体制と、適切なコミュニケーション戦略が不可欠ですが、現実には負担も大きく、完全にリスクを排除するのは容易ではありません。したがって、トラブルを未然に防ぎ、品質とスケジュールを安定的に担保するためには、可能な限り一つのデザイン会社内でプロジェクトを完結させることが望ましいといえるでしょう。

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