2019.7.9

カラートレンドは未だに欧米追随

カラートレンド情報誌

カラーのトレンド情報誌最新版

先日定期購読しているカラーのトレンド情報誌最新版がとどきました。
おおむね1年先の色に関するトレンドが集められている情報誌です。この手の情報誌も年々種類が減ってしまい、発行部数も激減していると聞きます。
コイズミデザインファクトリーの業務の中で最もビジネスの川上に位置する商品企画やブランドコンセプトの構築時にこういった情報誌は欠かせません。
クライアントに提出する企画書に書かれていることに信憑性を持たせる上でこういった海外のトレンド情報誌は最強です。
アパレル系以外の一般的なデザイン会社では、こういった情報誌を定期購読しているところはあまりないと思いますが、常々こういった資料に目を通すことで欧米人の何ともいえない、得体の知れない色彩センスに少しでも近づければと思っています。

いつまでも欧米追随で良いのか?

残念なことに色だけでなく、ファッションやプロダクトのトレンドは未だに欧米追随のイメージが強く残っています。特にカラートレンドに関してはその傾向が顕著で、日本の機関が出している「流行色」という情報誌自体が欧米のトレンド分析に終始しています。おそらく当分この状況は続くと思いますが、私はひとつ疑問に思うことがあります。

日本の伝統的色彩や配色にトレンドは存在するのか

日本に古来から伝わる色の文化は決して欧米に比べても恥ずかしいどころか、文化的レベルでは勝っていると言っても過言では無いと思います。
たとえば「色名」、いわゆる色の名前の付け方にしてもそうです。欧米の色名の多くはその色を作り出している「原材料」を使うことが多いです。コバルトブルーやカーマインレッド等がそうです。また、比較的身近にあるその色に近いものをそのまま色名にしたりすることも多いです。ターコイズ、オレンジ、ワインレッドなどがそうです。
しかし我々日本の色名にはもっと情緒深いものが多く存在します。浅葱色や鳩羽色、群青色などたとえるものに詩的情緒が含まれています。
しかし、このように昔から文化的にも豊かな日本の色の世界には、あまりトレンドカラーというものが存在しません。たとえば今から10年前の日本の伝統色のトレンドは?と聞かれて方得られる人はほとんどいませんし、来年の伝統色トレンドカラーは?と聞かれても全く見当が付きません。

日本古来の色彩にもトレンドカラーを作ってみたい

それに気づいてからひとつおもしろい仕事が始まりました。日本の伝統色をビジネスにするのです。詳細はまだしばらく明かせませんが、この仕事がうまくいけば「日本の伝統色でトレンドカラー」が現実にできてくるかもしれません。
そのことを夢見て、その新しい仕事に現在取り組んでいるところですが、実際にビジネスとして展開したときには、皆様の日本伝統色に対する興味を深めていただけるよう広報活動に力を入れようと考えています。

TOP
contact