クークー ブランディング
大手手芸メーカーから、刺しゅうワッペン商品のブランディングのご依頼がありました。
刺しゅうワッペンとは糸で刺しゅうされたモチーフの裏面に熱接着加工がされており、アイロンで簡単に布製品につけることができる商品です。主に手芸作品のデコレーションに使われます。
モチーフはいくつかの案を提出させていただいた中から、クライアント様とご相談し、動物で進めることになりました。
当時の刺しゅうワッペン市場は子供向けのキャラクターの売上げが高く、大人が使えるようなものは少ないのが実情でした。そこで大人も子供も使える動物ワッペンの開発を考えました。
まずペットで人気の種類、雑貨などで人気の動物を調べモチーフを決めました。
刺しゅうのデザインには専門知識が必要で、糸の太さやステッチの再現性の限界を計算してデザインをしなければいけません。また、刺しゅうは針数（1ステッチが1針）で価格が変わるので、ある程度の針数で仕上がるように大きさなどを考えます。また、色数も限られます。
それらを考慮した上で、大人でも子供でも使えるちょうど良いかわいさ、その動物ならではのポーズでデザインしていきました。
また、商品は小さなワッペンで違うデザインのものを2枚一組にすることにしました。当時はそういった商品はなく、使いやすさとシズル感を狙いました。
刺しゅう工場とやりとりを重ね、毛並みを再現するステッチになるようお願いし、小さくてもリアル感がある仕上がりになりました。
ブランド名の提案を行い、フランス語で気軽な挨拶である「coucou」にきまりました。動物たちが「やぁ」と微笑みかけているようなイメージからです。
ロゴデザインも行いました。
パッケージデザインを行いました。当時のワッペンのパッケージは一辺倒なものが多く、商品は違ってもパッケージは同じものが多数でした。
そこで今回は全てパッケージのデザインを変えることにしました。また、動物のポーズに合わせて手描きでデザインをおこし、絵本の1ページのような印象に仕上げました。
カタログ用に、実際の手芸作品につけたイメージカットが必要になりました。手芸作品も社内でデザイン・縫製し、撮影・コーディネートも行いました。
カタログのデザインも行いました。パッケージの手法を用いて表紙のデザインをしました。
商品は好評をいただき、ロングセラー商品となりました。今までにないことを現場にお願いしたので、工場の方々や、アソートの方々のご理解とご協力があって実現した商品でした。
